お知らせ

【上水道の日(10月17日)】

日本の近代水道は、1887年(明治20)10月17日、イギリス人ヘンリー・パーマー氏の指導のもと、初めて横浜に創設されました。 その70年後の1957年、憲法第25条の「公衆衛生の向上及び増進」の観点から、厚生省(当時)の管轄下で制定された「水道法」により、水質に関する基準が定められました。基本の51項目全てを満たして初めて水道水として供給されます。2019年末時点で水道普及率は98.1%に達しました(※1)。
 しかし水道管路は、法定耐用年数が 40 年であり、高度経済成長期に整備された施設の更新が進まないため、老朽化が進んでいます(※2)。
 加えて2021年度末時点における水道施設の耐震化の状況は、基幹的な水道管のうち耐震性のある管路の割合が41.2%、浄水施設の耐震化率が39.2%という低い状況にあります(※3)。
 2022年5月に静岡県菊川市で発生した断水の主な原因は、水道管の老朽化でした(※4)。また同年9月の台風15号によって静岡市清水区では6万世帯以上が断水し、復旧するまでに12日間かかりました。その原因は、興津川にある承元寺取水口が土砂や流木などによりふさがって取水できなくなったことや、橋の横に設置されていた水道管が崩落したことでした(※5)。水道法が制定されたころとは違って、安全な水を供給しようとしても、このように水を運ぶ水道管が老朽化や災害によって破損するという新たな課題に対応する必要が出てきました。
 そういった状況も踏まえ、2024年4月1日付で「生活衛生等関係行政の機能強化のための関係法律の整備に関する法律」が施行されます。水質・衛生に関する業務は環境省に、老朽化対策、耐震化などの施設整備や経営、災害時の復旧支援、渇水対応などを国土交通省が管掌することとなります(※6)。
 安心安全な水道水の供給と防災対策は切り離せない喫緊の課題です。今後の国ならびにお住まいの自治体の水道施策に注目していきましょう。

※1 国土交通省「令和4年版 日本の水資源の現況」https://www.mlit.go.jp/report/press/water02_hh_000151.html
※2 国土交通省「令和4年版 日本の水資源の現況」 第3章 水の適正な利用の推進 8水資源関連施設の維持管理の状況 P76
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/mizsei/content/001521361.pdf
※3 厚生労働省「水道事業における耐震化の状況(令和3年度)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31439.html
※4 菊川市内における水道水の断水等について
https://www.city.kikugawa.shizuoka.jp/kurashi/jougesuidou/0521dansui.html
※5 清水区の断水等に関する被害と対応状況について(台風15号関連)現地の被害と対応状況
https://www.city.shizuoka.lg.jp/138_000086.html
※6 「生活衛生等関係行政の機能強化のための関係法律の整備に関する法律」の公布について(通知)
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T230529I0020.pdf