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【視覚でつなぐ安全~防災におけるピクトグラムと色彩の力~】

災害時、視覚や色彩を利用した情報伝達は重要な役割を果たすといえます。今回は「ピクトグラムと色彩効果が防災上どのように役割を果たしているか」について学びを深めていきます。 現在、街中にはさまざまな場所で色々な視覚表示(ピクトグラム)が使用されています。ピクトグラムは、ユニバーサルデザインの一つであり、年齢、性別を問わず一目で瞬時に理解ができるように作られており、言葉に代わり情報を分かりやすく伝え、不特定な人々に説明するための「視覚による情報伝達表現」であると言えるでしょう。防災上では、災害現場からの脱出や、津波避難ビルの案内など、近年激増する外国人観光客に対しても直感的に意味が伝わるようにさまざまなデザインのピクトグラムが設置されてきています。ちなみにこのピクトグラムが日本国内において初めて整備されたのは、前回1964年の東京オリンピックの時でした。最初に整備されたのは「トイレのマーク」だったと言われます。93カ国が参加したこの大会時、日本語は国際的にまだ理解度が低い言語であったため、東京五輪デザイン委員長であった当時勝見勝氏(美術評論家)を中心にその原型が作られました。(※1)

 今、ビルなどに表示がある「非常口のマーク」は、1973年に熊本でおきた「大洋デパート火災(死者104人)」がきっかけで誕生しました。この災害以降、防災上の警告・規制、避難場所案内など、多方面でピクトグラムは取り入れられています。(※2)
また、ピクトグラムは、日本産業規格(JIS)により規定されている「JIS安全色(JIS Z 9103)」により、使用する色が決められています。規定される安全色は、赤、黄赤、黄、緑、青、赤紫に、対比補助色として白、黒を加えた8色です。「非常口マークに使用される緑」は、「安全、避難、救護、衛生、進行」などの意味があります。一方で「赤」は血や火のイメージがあり、防火、禁止、停止、高度の危険を示します。さらに「黄」は注意を示し、薄暗いところでも見えやすい色です。「青」は指示や用心を意味し、津波のハザードや避難場所などで使用されます。(※3)
 人間の目は、日中明るい色(赤や黄色)を認識しやすく、夕方や薄暗い場所では青色を認識しやすくなるという特性があり(プルキニェ現象)、ピクトグラムと色彩を組み合わせた表示方法により、防災上の各種情報を皆さんに素早く的確に理解されるように工夫されています。


自分の命と家族を守るためには、視覚表示や色彩効果の知識が非常に重要です。これらの知識を活用し、いざという時に正確な判断ができるよう備えを整えましょう。特に、災害時には冷静な行動が求められます。視覚表示がどのように役立つのか理解し、周囲に安心感を与えられるよう努めてください。自分と家族を守るために、日々の学びを大切にしてください。
 
(※1)笹川スポーツ財団:第68回1964年をきっかけに世界へ広がったピクトグラム
https://www.ssf.or.jp/knowledge/history/interview/068.html
https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/AD/ekigo.html
(※2)熊本放送局:大洋デパート火災50年 当時何が?
https://www.nhk.or.jp/kumamoto/lreport/article/003/33/
(※3)日本産業規格:簡易閲
https://kikakurui.com/z9/Z9103-2018-01.html#google_vignette